
ホンダ「E-Clutch」搭載のCBR650R/CB650Rが登場!未来のクラッチ操作はもう始まっている?
共有
バイク界における革新の火付け役として知られるホンダが、また一つ新たな技術を発表しました。その名も「E-Clutch(イークラッチ)」。クラッチレバーを操作せずともエンストせずに発進・停止が可能でありながら、シフトチェンジの楽しさを失わないという、まさに“いいとこ取り”の技術です。
本記事では、2024年モデルのCBR650RおよびCB650Rに初搭載されたこの「E-Clutch」について、仕組み・使用感・従来技術との違いなどを解説しながら、ライダーにとってのメリットや注意点も含め、詳細にご紹介します。
■ E-Clutchとは?
E-Clutchとは、クラッチ操作を半自動化するホンダ独自の新技術です。簡単に言えば、「クラッチレバーを握らなくても発進・停止ができるが、ギアチェンジは自分で行う」というハイブリッドな仕組みになっています。
例えば、バイクに跨りエンジンを始動した後、クラッチレバーに触れずに1速に入れてスロットルを開ければ、そのまま走り出すことが可能です。減速時や停止時にもクラッチ操作は不要で、停車時にギアを入れたままでもエンストしません。
なお、従来通りのマニュアル操作も可能で、クラッチレバーを握れば手動操作に切り替わり、システムをオフにすることもできます。まさに手動と自動の“いいとこ取り”なのです。
■ 開発背景と目的
このE-Clutchの開発リーダーは、ホンダの小野淳也氏。2009年にホンダへ入社後、2014年からE-Clutchの開発に携わり、初のリーダープロジェクトとしてこの技術を完成させました。
彼が掲げた開発目標は、「マニュアルトランスミッションの楽しさを残しつつ、操作を簡単にすること」。初心者にとって高い壁となるクラッチ操作を自動化し、より多くの人がバイクに触れるきっかけを作ることが目的とされています。
■ 従来のDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)との違い
ホンダは過去に、DCT(Dual Clutch Transmission)という完全自動変速システムをVFR1200(2010年)で導入しており、現在ではアフリカツインやゴールドウイングなどにも搭載されています。
ただしDCTは、トランスミッションの構造が複雑かつ重量も増すため、全ての車種に適しているわけではありません。これに対してE-Clutchは、既存のエンジンとトランスミッションをそのまま利用できる軽量システム(約2kg=4.4ポンド)で、導入のハードルも低くなっています。
■ E-Clutchの仕組みと操作感
E-Clutchは、エンジン右側に設置されたアクチュエーター(駆動ユニット)によって制御されます。このアクチュエーターには2つのモーターが搭載されており、ライダーがシ