2023年最強ハイパーネイキッド対決!ドゥカティ Streetfighter V4 SP2 が覇権を握る理由

2023年最強ハイパーネイキッド対決!ドゥカティ Streetfighter V4 SP2 が覇権を握る理由

はじめに

「最もバッドアスな量産ハイパーネイキッドスポーツバイクは何か──?」この問いに真っ向から挑んだのが、BMW M 1000 R、Aprilia Tuono V4 Factory、そしてDucati Streetfighter V4 SP2の3台。いずれもMotoGP由来のウイングレットとハイエンドサスペンションを備え、最高出力も桁外れ。サーキットと公道での徹底比較を通じ、その実力と乗り心地を詳細にレポートします。

エンジン性能比較

Ducati Streetfighter V4 SP2

排気量1,103ccの90°V-4「Desmosedici Stradale」は、13,500rpmで約172.8hp、9,300rpmで約75.2lb-ft(約102.0Nm)を発揮。中低速から高回転まで途切れなく広がるトルク特性は、「全域で戦える」真のバッドアスエンジンと言えます。STM製ドライクラッチの独特の排気音も相まって、ライディングの興奮を最大化します。

BMW M 1000 R

直列4気筒エンジン(999cc)は13,400rpmで約185.1hp、10,300rpmで約76.2lb-ft(約103.3Nm)を計測。しかし、6,000~8,500rpmにかけて大きな谷が存在し、中回転域での伸び悩みが顕著。電子制御で抑えられたパワーカーブは、トップエンドの真価を引き出すために高回転を維持する必要があり、疲労を招く場合もあります。

Aprilia Tuono V4 Factory

1,077cc・65°V-4は11,500rpmで約154.5hp、9,200rpmで約80.2lb-ft(約108.7Nm)を発揮。低中速域の恩恵を受けやすい特性で、ワイドなトルク感が魅力ですが、5,000~6,000rpmの小さな凹みと高めのギア比が相まって、コーナー立ち上がりでのレスポンスはやや控えめです。

電子制御&サスペンション

いずれもECUマッピング、トラクションコントロール、ウイリー/スライド制御など多彩な電子ライディングアシストを搭載。特にDucatiの「DTC Evo 2」や「EBC Evo 2」は、介入が極めてスムーズで、介入感をほとんど感じさせないのが特長です。ApriliaはAEM/AEB/ATCなど豊富な設定が可能ですが、やや介入タイミングが分かりやすく、好みが分かれるところ。BMWは–7〜+7の独自トラクションレンジを採用していますが、細かな段階差が体感しづらいという声もあります。

サスペンションはいずれもÖhlins製ECアジャスタブル。BMWの「DDC」はデフォルトで十分に調校されており、モード切替だけで幅広いシチュエーションに対応可能。Ducatiは手動調整も含めたセミアクティブ制御で、荒れた公道からサーキットまで瞬時に最適化。Apriliaはダンピング調整幅が広く、細かなセッティングが行えますが、やや調整に慣れが必要です。

シャーシ&ブレーキ

シャーシはAprilia/BMWが伝統的なアルミツインスパー式、Ducatiは「フロントフレーム」でエンジンをストレスメンバーとする独自構造。BMWは最も軽快なステアリングを実現し、切り返しが楽。Apriliaは安定感が高い反面、操作に力が必要です。Ducatiは炭素繊維ホイール搭載でヒラヒラ感と剛性感を両立します。

ブレーキは全車トップクラス。DucatiのBrembo Stylema R、BMWのNissin製ラジアルキャリパー、ApriliaのBrembo M50はいずれも強烈な初期制動と深いコントロール性を提供。より「扱いやすさ」で選ぶならBMW、極限性能ならDucatiといった棲み分けです。

人間工学&快適性

Apriliaは最もレーシーなポジションで、長時間の公道巡航では厳しさも。BMWは中庸なポジションながら低めのハンドルが手首に負担をかける場合があります。対してDucatiは高めハンドルでリラックスした姿勢を確保。シート高33.3in(約846mm)、全体重約204.5kg(451lbs)の車体ながら、街乗りからツーリング、サーキットまで万能にこなします。

結論:頂点に立つ理由

最終的に“最もバッドアス”なハイパーネイキッドは、Ducati Streetfighter V4 SP2。圧倒的なエンジン特性、シームレスな電子制御、軽快かつ剛性感あふれるシャーシ、そして意外なほど高い快適性を兼ね備えています。BMW M 1000 Rはシャーシ性能で光るものの、中回転の谷が課題。Aprilia Tuono V4 Factoryはコスパとバランスで優れる反面、最新鋭の電子制御と絶対性能では一歩譲ります。

あなたが求めるのは“野性味あふれる一台”か、“完成度の高い万能マシン”か。それを究極的に高次元で両立させたのが、Streetfighter V4 SP2なのです。

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